2019年3月28日

不妊の原因は隠れ貧血にあった？貧血の恐ろしさは胎児に影響すること

貧血は不妊の原因の一つと考えられます。通常の健康診断では分からない隠れ貧血の場合も多いです。

20歳〜49歳の日本人女性の5人に一人が貧血であり、日本人の多くが鉄欠乏状態と推定されています。

貧血を放置しておくと、妊娠しづらいだけでなく、胎児への影響が心配です。

今回は、貧血の原因と、具体的な貧血対策について取り上げます。特に不妊で悩む女性、これから妊娠を希望される女性は知っておいて欲しい内容です。

 

貧血の原因とは

貧血の中でも一番多くみられるのが「鉄欠乏性貧血」で、鉄分の不足が原因です。

偏った食事やダイエットなどによって起こるとされています。

赤血球の役目は、酸素の運搬です。これはヘモグロビンというタンパク質が、酸素を捕まえてくれて運んでくれているからです。

ヘモグロビンは、ヘムという鉄を含んだ色素と、グロブリンというタンパク質からできています。

鉄が不足すると、ヘモグロビンが十分に作れなくなって貧血になってしまいます。

 

鉄は、本来、体内で再利用されるので、特に鉄を意識して食べなくても成人男性なら鉄は欠乏しにくいです。

ですが、女性は、月経の出血があるため鉄欠乏に陥りやすい。

特に妊娠や授乳中は、体内で鉄を必要としているので、通常の摂取量では不足してしまうのです。

 

また、子宮筋腫など月経量が多くなる時期も鉄不足に陥りやすいので要注意です。

＜一般的な貧血の原因＞

✔️偏った食事、ダイエットによって鉄が不足する

✔️妊娠、授乳中における鉄分を多く必要としている

✔️過多月経など月経量が増える

＊他にガンなどの病気によって貧血が起こる場合もあります。

 

貧血を放置していると、、

「女性は貧血になりやすいから」と貧血を放置しているとどうなるのでしょう？

貧血は、妊娠中の胎児に悪影響を及ぼす場合があります。

妊娠すれば、母体だけでなく胎児にも酸素や栄養素を与える必要があるわけで、当然といえば当然ですね。

早産のリスクや、低出生体重のリスクが高まることが指摘されています。

もちろん、病院から鉄剤を処方されるケースも多いと思います。ですが、鉄剤は飲むと気持ち悪くなる人もいます。

つわりでひどい時期に、さらに苦しむことになるかもしれません。

しかも、鉄剤の吸収率はよくありません。鉄剤を飲み始めても貧血の改善までには時間がかかってしまいます。

そのため、妊娠前から、貧血を改善していく必要があリます。

 

血液検査では見落とされる「隠れ貧血」に要注意！

健康診断では、特に問題がなくても貧血の場合もあります。

通常の血液検査では、ヘモグロビンの数値を検査します。

体内の鉄の６〜７割程度は、血液の中のヘモグロビンに含まれているので、この数値をみています。

ですが、肝臓や皮膚などに貯蔵されている鉄については、通常の検査ではみません。

そのため、本人は気づいていない、貧血でない鉄欠乏の状態になっている人もいるので要注意です！

 

貧血は不妊の原因の一つ

なかなか妊娠できないと、何が原因なんだろうと考えてしまいますよね。

そういえば、以前、健康診断で、鉄不足を指摘されたことがある、といった人はいませんか？

鉄不足を指摘されたことはなくても、上記のように隠れ貧血という場合もあります。

酸素が全身に行き渡ってないので疲れやすかったり、倦怠感、息切れなど起こしやすい。鉄不足から、肌や髪の状態にも影響が出ます。

心あたりがある人は、一度、調べると良いかもしれません。

というのも、貧血は不妊の原因の一つと考えられるからです。

ヘモグロビンの働きによる酸素の運搬ができないと、卵巣への酸素不足が懸念されます。

卵子の成長、卵子の質に関わります。

また、子宮の粘膜を作る材料にもなります。受精卵が着床しにくくなるのです。

 

鉄分の多い食事を食べても改善しない場合も！

では、鉄分の多い食事を撮りましょうと、通常はなりますね。

鉄を多く含む食品は、吸収率が良いとされる”ヘム鉄”(肉類、魚介類に多く含まれる）を多く摂取すると良いとされています。

非ヘム鉄（青菜など）よりも吸収率はやはりいいのですね。

妊活をされている方の中には、極端に、糖質制限を行い、肉ばかり食べている人がいます。

ですが、何事も偏り過ぎるのは良くありません。

肉食に偏り過ぎると、体内に炎症を作ったり、腸内環境を悪化させる恐れがあります。

便が黒ずんだり、硬かったり、ガスが発生しやすくなります。

その場合、しっかりと消化、吸収できていない可能性があります。鉄分の多いお肉を食べても吸収できていないと貧血の改善には繋がらないですよね。

食事は、バランス良くが基本です。特にビタミンCと一緒にとると吸収率が高まるようです。

ビタミン12と葉酸は、赤血球を作るのに必要な要素です。　ビタミン、ミネラルなども合わせて摂りたいです。

鉄のサプリメントが効かないことも！

妊活中に、すでに鉄のサプリメントを飲まれる方も多いと思います。

ですが、前述したように、鉄の吸収率はかなり悪いです。

体内に炎症があると、鉄を入れると返って悪化させる場合もあります。

鉄のサプリメントを摂る場合は、注意が必要です。

貧血対策のファーストステップは？

鉄分を積極的に摂ろうとするあまり、ヘム鉄である肉類に偏った食事は良くありません。

消化、吸収のことを考えると、真っ先に行いたいのが腸内環境の改善です。

便秘がちな人は、便秘を改善してから鉄のサプリメントを摂ったほうがいいです。

その場合も、キレートされたものなど吸収されやすいものがオススメです。

まとめ

●貧血の多くの原因は、鉄欠乏性貧血で鉄不足によって生じる。

●月経にともない、鉄の消費量が激しく貧血に陥りやすい

●通常の血液検査では把握できない貧血もあるので要注意！

●鉄は吸収が良くない。

●鉄の豊富な肉食に偏るのではなく、腸内環境を整えるのが大事。

●鉄は「入れる」より「吸収」させることを考える

 

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